永遠の仔;
著者: 天童 荒太
タイトル: 永遠の仔 (1)
お勧め度8.5/10
感動しました。
現在と過去をいったりきたりで、ストーリーを展開させます。現在を書いているところでの回想シーンがたくさんあります。そこで、過去のシーンの記述が、その回想シーンを鮮明にします。
十七年前に、複雑な家庭事情により双海病院で治療を受けることになった優希と笙一郎と梁平の三人は、いろいろあって(はしょってすいません)優希の事情の真相を知り、優希の父親の殺害計画を立てる(正確には♂二人で)。退院記念の登山で、優希の父親、雄作を突き落とす計画。
雄作は悲鳴とともに転落した。
そして、17年後・・・。
三人は再会するが、過去を掘り起こすことによってそれぞれの人生は順風満帆には行かなくなってしまった。
それぞれ感情が交錯し、その結果悲しい殺人事件がおきてしまう。その被害者の中には、梁平の恋人、優希の母親志穂(こっちは正確には自殺だが)もいた。
犯人は意外な人物で、また、燃えているはずだった志穂の手紙で17年前の事件の真相も明らかになる。
子供の虐待は結局親のエゴの表れだ、子供は親の欲望のはけ口だ、みたいなことを梁平がいってますが、確かにそういう側面はあると思います。伊島は、「親の気持ちもわからない若造が・・」みたいなことをいってますが、これもまた真じゃないかなと思います。
また、「ほうっておいたら、子供は親にされたことを繰り返す」「トラウマは消えない」みたいな内容がありましたが、つらいですね・・。結局トラウマを乗り越えた笙一郎は奈緒子を殺してしまいますし・・・。
これは、永遠のテーマですね。子育てに付随する暴力行為というのは。
この本に書かれてある虐待は非常に許しがたきものです。ただ、一方で日常的でもありますもんねー。
親が良かれと思ってやっていること、あるいは当然と思ってやっていること、あるいはやめようと思ってもやめられないこと(これが一番厄介ですな)が子供にとって非常に負担になっていき、親は親で子供を信じられなくなっていく。そうして、何らかの事件がおきてしまう、というのは、スケールの大小はあるにせよ日常的。どうしたらいいのでしょうか。
親の虐待に関しては、解決法が難しい。当事者でしか理解し得ないところというのは当然あると思いますし。
僕は厳しくしつけをされたつもりですが、虐待や暴力などされたことがないので、主人公たちの気持ちを深く理解することは無理ですが、なんとなくわかるところはある。
そして、僕にとってのこの本のハイライトは、終章の志穂の手紙です。
素直すぎる僕は、終章の、志穂の手紙の内容(つまり17年前の事件の真相)を知って泣きそうになってしまいました。結局運命に翻弄された子供たちだった・・・。読書量の多い方からすると、あの展開を予想されるようですが、まったくわかりませんでした。
優希は、自分の犯した罪を悔い、笙一郎と梁平はそれぞれ、自分が雄作の背中を押せなかったことを悔い、優希と一緒になる資格は自分にはないと思っていたんですね。志穂がもっと早く打ち明けていれば・・・。それはそれで非常に悲しい結果になりますが、こうはなっていなかったんですもんね。
ただ、文章が下手です。ストーリーのうまさはありますが。文章が下手だから、なんていうか、子供視点で読めるんかなって思います。伏線を引いたりしてるのですが、引き方が気持ち悪い。母親の手紙を聡史が優希に渡すシーンとか、なんか気持ち悪いですよ。手紙を渡したことではなくて、その描写が気持ち悪い。
あと、ほかのテーマを題材にした本を重厚感をもって書くことは難しそう。本当に気持ちが乗らないとかけないタイプの作家さんでしょうか。技術勝負でいうともっとうまい人たくさんいるでしょう。
ちょっと最後が気持ち悪いです。あの2行を言いたかったらしいですが、なんかね。生きていていいというよりは、生きなあかん!!って感じかなあ。「生きていていい」という感情は持ったことがないですから、僕にはぴんとこなかった。「生き抜いてやるわい!!」って感じのことは思っているのですけれども。
でも、文句なしにお勧め。多少読みにくいのは許しましょう(笑)
模倣犯;宮部 みゆき
著者: 宮部 みゆき
タイトル: 模倣犯〈上〉
著者: 宮部 みゆき
タイトル: 模倣犯〈下〉 お勧め度6.5/10
時間がかかってしまいました。あまり集中して読んでいなかったというのもあるのですが。
書いていない間に、過去の記憶を探りながら感想を書こうかなと思いました。そのうち、気が向けば書きます。
宮部みゆきさんの作品は3作目。「火車」「理由」についでです。
ずいぶんと違和感があります。この人は、現実を見るのではなく、頭の中でストーリーをひたすら組み立てていく感じですか。フィクションだから・・・というのではなく、なんかこう、人間の芯に迫ってない感じがします。]
もちろん、幼女誘拐や、ホームレスへの無差別殺人っていうのは実際にあるんですが・・・。
「これを模倣しようとする輩が出てくるかもしれないよ」なんていうせりふがありますが、皮肉なことにあくまでそれは、本のなかだけでしょうね。この本を読んだからといって、若い女の人が恐怖におびえたり、あるいは男がそれこそ「模倣犯」になろうとすることはなさそう。つまり、「対岸の火事」です。リアリティがないんですよね。教科書通りの人物描写。
有馬老人を例にとると、悲しみ・不安→事実を知ったときのショック→茂への怒り・娘への慰め→遺族同士のショックの共有→新事実への渇望と不安→真犯人発覚のショック→すべてを理解し、ようやく糸が切れたように泣き崩れる という、通り一遍の心情推移。悪いわけではないですが・・・。ある書評で、「宮部みゆきは宮部みゆきを超えられない」とありましたが、そういう感じですね。
「対岸の火事」だから、この本人気出ると思います。リアリティはないですが。
たとえは悪いですが、「こうすれば女を落とせる!!」的な本を読んで、「女はこうやったら落ちる!!」と思った男の子が、女を落とす前に女について書いた本?的な感じがします。
そういう意味で、やはり、ゲーム的な本のほうが向いているかもしれません。リアリティなくてもいいからね。
なんとなく、宮部さんは「滋子」に憧れをもっているというか、こうなりたいなっていうものがあるのかなあ、って思いました。ピースに騙されない、若い女の子を説教する、だんなの家族とけんかしても仕事続ける自立した女性、でもかわいらしさも残ってる・・・。教養を持った女の人が考えることっぽい。(っと、今気づいたけど、これこそ教科書通りの人物像。俺もあかんなあ)
一人一人の背景を事細かに書いていったのはいいと思いますね。ただ、そこからの人物描写が好きではないだけで。
真一くん,水野ちゃんOK。樋口めぐみもまあOKかな。闊達な少年、聡明な老人の心の動きを書くのはうまいですね。ラスト数十ページの記述は好きです。真一がめぐみに、あるいは有馬がピースに説教(?)するシーンはいいところですね。
ピースと栗橋の気持ちはわかります。自分をひとかどの人物だと思いたいから、目立ちたいという気持ち。だから、ピースの気持ち、もしくは気持ちが現れる行動をもう少し書いてほしかったかな。
「火車」の新城は、殺人者になるまでの過程が書いてありました。だけど、ピースはそれがあまりにない。複雑な家庭事情は、滋子の調査により明らかになるのですが。何か、結局、「天才の考えることはヤバイ」みたいな感じにならないかな。個人的には、ピースのエゴイスティックなところは理解できるので、もう少しそれが現れるエピソード、もしくはそれが形成されるエピソードを書いてほしかった。二部はヒロミが主役だし。
人に勧めるとしたら、「おもしろいよ!!」というより、「どう思った?」という、感想を聞きたいタイプの本です。
チャンピオンズリーグベスト8
2004-05シーズン UEFAチャンピオンズリーグ準々決勝
第1戦: 4月5・6日
第2戦: 4月12・13日
1 リバプールFC v ユベントスFC
2 ACミラン v FCインテル・ミラノ
3 オリンピック・リヨン v PSVアイントホーフェン
4 チェルシーFC v FCバイエルン・ミュンヘン
2004-05シーズン UEFAチャンピオンズリーグ準決勝
第1戦: 4月26・27日
第2戦: 5月3・4日
1 準々決勝マッチ4の勝者 v 準々決勝マッチ1の勝者
2 準々決勝マッチ2の勝者 v 準々決勝マッチ3の勝者
2004-05シーズン UEFAチャンピオンズリーグ決勝
トルコ・イスタンブール アタチュルク・オリンピック・スタジアム
5月25日
準決勝マッチ2の勝者 v 準決勝マッチ1の勝者
軽く予想。
1 リバプールFC v ユベントスFC →ユベントス勝利
はっきりいって、リヴァプールはここまで来ただけで十分。Lガルシア、バロシュでは点は取れん。ジェラードの奮起しだいだと思うが・・。
0-1
1-2
で1-3でユーべ。
2 ACミラン v FCインテル・ミラノ
えーと、接線だと思います。
ここは大方の予想を裏切りインテルで行きましょう。
アドリアーノ+マルティンスは、怖いです。ベロンの中距離パスが直接マルティンスに届けば、一気にビッグチャンスの予感。
1-1
1-1
で延長でインテル。
3 オリンピック・リヨン v PSVアイントホーフェン
ダークホース同士であたるんですねー。
リヨンで。PSVはそろそろ無理かな。
3-1
0-1
で3-2でリヨン。
4 チェルシーFC v FCバイエルン・ミュンヘン
チェルシー勝利でしょう。しかもかなり差がつくと予想。
ドログバも戻ってくるし。
3-0
1-0
で4-0でチェルシー。
まあ、あたるとは思ってませんが・・・。
インストール;綿矢 りさ
難しすぎるというか、理解不可能ぽい。知らない地名たくさんでてくるし・・。 「模倣犯」は、日本語も平易だし、すーっと読めそうです。
「インストール」書きます。
著者: 綿矢 りさ
タイトル: インストール
オススメ度6.5/10
学校サボりがち、人生投げやりな女子高生野田朝子が、エロチャットの申し子小学生かずよしから、時給3000円!!儲かるエロチャットを教えてもらい、はまっていく。
かずよしのメール友達、みやびの振りをして、エロチャットにはまっていく朝子とかずよし。ちなみに、かずよしもみやびの振りをしてチャットする。二人一役という感じ。
が、しょうしょうイタイ大学浪人生のチャット青年聖璽に正体を見破られ、リアル世界にもう一度価値を見出して行く。
ストーリーは、なんていうことはないですな。ありがちといえば、ありがち。
でも、僕はこの本好きなんです。
僕は男子校だったから、女の子とのつながりっていうのもそこまでなかった。デートはしたことありますが、それっていうのは女子高生の日常とは違う。向こうも結構気を使ってるだろうし。
この朝子は、日常の女子高生、です。 青春をもてあましながら、将来のこと、性的なことなど考えているというのは、(僕にとっては)非常にリアルです。
家族や友達の話を織り交ぜながら日常生活を描いている。
他人の家の押入れでエロチャットっていうのは、非常にまれな状況ですが、朝子の考えていることはそれほど珍しくないんじゃないかな、と思います。希望と失望の間で常にゆれている。
女子高生に、それから女子高生を神格化していた(言いすぎ)男子高校生だったころの僕に笑えます。まーこんなもんかもなっていう。それだけで読む価値はありました。
「こんなもん誰にでも書けるわ」っていう書評家が多いらしいですが、こういう文体で書けるのは、絶対若いうちだけだと思います。
内容は平凡ですが、独特の言い回しと、その言い回しを恥ずかしがらずに多用できるのは、10代だけじゃないでしょうか。この人は、この年齢にしては、表現力は間違いなくあるし、それを使える大胆さがあります。「ピンぼけうつろですな」という台詞に代表されるおもしろい言葉があるのですが、どこから、そんな言葉が出てくるのでしょうか。それは僕にとっては魅力。
エロ言葉については・・・。なくてもいいし、あってもいい。ただ、エロ言葉を文章に表すところにかわいらしさを感じます。「エロ言葉をほのめかすだけで言葉にしないで読者に想像させる」というテクニックを持った女子高生なんていうのは怖いです(笑)
デビューおめでとう!!
ワタクシの母親の友人の娘(ちょっと遠いけど)が、歌手でびゅーしてCD出してるじゃないですか??!
しかもHPまであるじゃないですか!!
おおお!!
ちょくちょく母から話を聞いてましたが、「どうせ地方で地味に活動しているアマチュアだろう・・」と思っていました。
ところが・・・。ひょっとしてひょっとしてひょっとすると(かなりひょっとしないとだめなんですが)大物になってくれるかもしれません。
まだ対バンとのライブ活動をしているようですが、これは楽しみ!!
その他大勢と一線を画して、ミュージックステーションかHEY3出演期待。
昔、家族で国内旅行したときに、その子の家族と一緒に遊んだんです。僕は小学生で、その子は幼稚園でした。それから、僕が高校生でその子が小学生のときにも会ってたみたいです(覚えてない)。
これからどんどん垢抜けて、歌もうまくなってってね!!
今のうちにサインもろとかなあかんかな。
めがねかいました~
今日とりにいってきたのですー。
で、あたり具合を調整してもらって、「ありがとうございます~」
といわれながら眼鏡屋さんを出てきました。
その眼鏡は銀縁のメタルなんですね。
(一応ご紹介しておきますとー。999.9のS-530Tの12です)
それで、ふと鏡を見ると・・・。
眼鏡も銀で、口元も銀だ。
ひょとーして、失敗??
フリーザのお兄さん、クウラが変身してメタルクウラになったときのような金属感ってことか。
が、知的に見えないこともないんです。
今まで試していた眼鏡は、プラスチックやセルで、知的というよりカジュアルな感じだったのですが、今回のはちょっと賢そうに見えるかもしれん。だからよしとしよう。
悪魔のパス 天使のゴール;村上 龍
著者: 村上 龍
タイトル: 悪魔のパス 天使のゴール
お薦め度 4.5/10
簡単に言うと、サッカー小説です。
サッカーが好きな人にはいいと思いますが、(だから個人的には面白かったのですが)サッカーなんてしらねーって人は絶対面白くないと思います。
こんなに、テクニック、フォーメーションを的確に描いたフィクションは珍しいと思います。サッカー観戦が本当に好きなことがわかります。
メレーニア以外の、パルマ、ラツィオ、フィオレンティーナ、ユベントスなどの実在のチームに関しては、選手が実名で出てきています。 やっぱ、村上龍は、日本人だからかどうかはわかりませんが、トップ下のテクニカルな選手がすきなんでしょう。特にルイコスタ、ジダン、夜羽冬次に関しての記述はすごい。ピンポイントのスルーパス、マルセイユルーレット、サイドの駆け上がり等を、事細かに記述しています。
夜羽のモデルはいうまでもなく中田英寿、矢崎のモデルは村上自身です。 中田はこれを読んでどう思ったのでしょう? 俺ってこんなすごい選手なのか? と自問自答していたりしたらどうしましょう(笑)
サッカー以外のところは、旅行小説というか、医学小説というか、闇社会の話というか・・・大分中途半端です。
ストーリー。悪魔のドーピング薬「アンギオン」の副作用で、EU圏外の選手が次々に死んでいきます。
で、矢崎は「トウジをアンギオンから守りたい」ってことで、要人に会うべく世界を飛び回ります。
それはいいのですが、結局、黒幕はわからずじまいなのです。ってことは、これからもトウジをはじめとするEU圏外の選手たちは狙われる可能性もあるわけです。解決していないんです。ユヴェントスに勝って、トウジとキューバにいって遊んで終わりです。
なんも解決していないのに、ふわふわと遊んでどうするんでしょうかー。 トウジと仲がいいのはわかりますけどね。降格を免れ、ユーべの優勝を阻止することよりも、命のほうが絶対大切でしょ。
サッカーおよびサッカー選手への愛情を描きたかったのはわかりますが、何らかの決着をつけてほしかった。メディアが犯人をあばくとかね
医学的なところから少し。「アンギオン」という薬の由来から考えても、また記述から考えても、レニンーアンギオテンシン系の賦活からの心筋平滑筋細胞の活性化、細胞外マトリックスの刺激によるメッセンジャー増加によって、心筋細胞の爆発的な活性化を狙ったものですね。
ちょっと専門的だけど、アンギオテンシン=angiotensinです。 angio=血管、tensin=収縮 です。テンション=tensionですね。tensinってのはそれです。
つまり、アンギオンだと、血管しか意味がないのよってことになってしまうのであります!!(笑)
旅行の風情は、わからないです。行ったことのある人にしかわからない。わからせようという気もないんでしょうね。 サッカー好きなら読んでもOK,そうじゃなければ読まなくていいのでは??
お、応援歌覚えれぬ
一から覚えるなんてまったく不可能ですよ。
阪神ファン以外の人はわからへんと思うけど、去年まで使われていた応援歌は、名前だけ変更して、何十年も前から連綿と受け継がれてきたものなんですよ!!それを、どうして・・・。
中野っていう、地味な選手の応援歌が、シュータになってたりするんです。伝統そのものなんですよー。著作権の問題なんて、一ファンには関係ないよ。
今年は体調不良が残っているため、甲子園で大声を張り上げる気はないけど・・・。
しかも、その歌詞が微妙なんです。
「シーツ」
起こせ ジャスト レヴォリューション ネオ ヒーロー アンディシーツ
チャンスだ ヒットだ Here We Go Oh! アンディ Here We Go
じゃすとれぼりゅーしょん、ひあうぃーごー、なんて、コテコテの関西人使わへん。
スタイリッシュやと思うよ。でも、似あわへん帽子かぶって、法被着て、ビール片手に応援してるおっさんが、Here We Goって絶対おかしいやん。
「チャンスマーチ」去年までは岡田監督が現役の時の音楽だった。
わっしょいわっしょい!!わっしょいわっしょい!!
ホームラン!ホームラン!!満塁満塁ホームラン!!
って、ホームランありえないようなバッターやん・・って心の中でつっこむのがよかったのに・・・。
行くぞチャンス 勝負を決めろ 気迫の一撃で 読売倒せ「オー!」
猛虎の闘志で 勝利をつかめ 吼えろ 燃えろ 我らのタイガース
もうこのとうし?盛り上がってるときにそんなむずかしい言葉いらんよ。
てゆうわけで、かなり不満です。
乾杯しよう~
アーティスト: コーヒーカラー, 仲山卯月, TESHI, CARIBA
タイトル: Good-Bye Everyday
オススメCDですー。
「人生に乾杯を!」で久しぶりに右脳がクリーンヒット。
最初は、MBS1179「西靖と桜井一枝のWaku2土曜リクエスト」で聴いて、「いい曲が発掘されたなー」と思った。
そして、GEOでも流れていて、これはひょっとして最近の曲?と思い検索したら見つかった!!
いいじゃないですかー。
サビの前の展開が特に秀逸。
70年代のフォークっぽい雰囲気と、ボーカルの声がマッチ。
このボーカルおっさんかと思いきや、まだ20代みたいね。
全曲感動路線かと思いきや、そうでもない。
「砂糖は入れない 親が糖尿」
相手先とルノワールで交渉するのだけど、親が糖尿で遺伝してそうだから砂糖は入れません。
「男と男も歴史が深い」
サウナとホモの話。男と女は分かり合えないが・・・。
「運転上手は床上手」
彼女に運転べたを馬鹿にされ、隠れて車庫入れを繰り返す。
といったコミカルな歌詞もあり。
あと、丹田呼吸法、試してるのだけど、結構体にいいと思われる。
火車;宮部みゆき
著者: 宮部 みゆき
タイトル: 火車
お薦め度9/10
宮部みゆきは、「理由」とこれを読みました。
これからもう少し時間を見つけて読んでいくことにしまふ。
火車、これは名作だ。
カード破産の話は、むしろ本題ではない。つまり、ストーリーあってのシチュエーションだ。当たり前。
宮部さんが書きたかったのは、「隣人の狂人」だと思う。
嘘の関根彰子、つまりヒロインの本城喬子が、いかにして狂った女になったか、という話。
主人公の本間、途中から準主役の保や、本物の関根彰子、全てまともな普通の人間である。関根はちょっとかわいそうな女ですが、それでも、人を殺そうという発想にはいたっていない。
両親が残した莫大な負の遺産によって、彼女の人生はどん底になってしまう。そんな中で、本城は、必要とあらば男を誑かし、関根とも仲良くし、偽名を使って働く・・・。どんどん狂っていく。
印象に残っているシーンとして、有名なのが、図書館で官報をめくるシーンだそうだ。
↑のシーンは確かに印象的だが、僕は最後の方がよっぽど怖い。
最後に、本城は、次のターゲットということで、木村という女性を狙うす。タイミングよく、主人公たちが、木村とコンタクトを取ることに成功し、レストランで木村と本城が待ち合わせをしているところで、待ち伏せして捕まえる。
そこのシーン、めっちゃ怖い。
殺すべき女を目の前にして、洋々とメニューを選んでいる。しかも、本城の正体を分かっている、本間、保から見ても、うきうきと見えているんです。普通、犯罪者と思って見ると、どこかしら挙動不審、というのが普通。でも、それをうかがうことができない。どこまでも狂人である。
だから、最後に話す必要はない。むしろ、話してはいけないあくまで、「悲劇にまきこまれた、他人が心を覗くことのできない狂った女」でなくてはだめ。あの結末がベスト。
骨を小学校に持っていくシーンなども、余計に怖い。狂ってなさそうで心底狂ってるのがこの女。「骨を小学校に持っていく」とかって怖いよ。普通戸籍のっとりという大胆なことをやろうとしている女が、そんなこと気にしないって。ただ単に暴力的な女より、そういう女のほうが怖い。
いかんせん、美人という設定だから男がだまされるー。ということで少し減点。後最後の方が偶然に頼りすぎ。
でも、寡作。